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関税割当制度

【読み方】
かんぜいわりあてせいど
【英 語】
Tariff-rate Quota
【略 語】
TRQ

関税割当制度(Tariff-rate Quota|TRQ)とは、経済産業省が定める貿易管理制度の一つ。

特定の商品の輸入に際し、一定の輸入数量までは低税率あるいは無税(一次税率)とし、その割当枠を超えたものに対しては高税率(二次税率)を適用する二重税率制度である。

国内消費者の需要と、国内産業の保護要請の両方に応えるのが目的で、割当を受ける場合は品目に応じ、農林水産大臣または経済産業大臣に申請書を提出しなければならない。

主な対象品目は、経済産業省では革製品等の4品目、農林水産省ではとうもろこしや乳製品など19品目28枠となっている。

さらに、実施方法は2つに分かれ、1つは割り当てを希望する外国企業に対し、政府が割り当て数量を事前に分配する「事前割当制度」。もう1つは輸入先着分から低関税を適用する「先着順方式」である。日本では現在、事前割当制度がとられている。

関税割当制度は国内産業保護の観点から採用されており、輸出国に対して輸入数量を明確に制限するわけではないが、一定の抑止力にはなっている。

これと似た制度で、「輸入割り当て制度」があるが、関税割当制度が輸入の一定上限枠を超えた場合に、輸入制限とはならず、高い関税が課されるのに対し、輸入割り当て制度は上限枠を超えた場合、輸入自体が制限されるという違いがある。