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運賃同盟

【読み方】
うんちんどうめい
【英 語】
Freight Conference

運賃同盟(Freight Conference)とは、主として定期船航路運航業者が運送営業の競争を調節制限して相互の利益を維持増進するために結成する一種のカルテルであり、最も基本的な協定が運賃の決定であるところから海上運賃同盟ともいわれる。
同盟によっては海運同盟(Shipping Conference)と称しているものもあり、運賃協定(Freight Agreement)と称するものもある。

この海運同盟に対する諸外国の規制は、比較的自由に自主的な運営を認める英国、北欧等の先進海運国と、国内法で強く取締る米国、カナダ、豪州等に分けられるが、いずれの国も自国の独禁法の適用を除外しており、海運同盟制度は、国際的に熟された慣行といえる。

また、運賃(海運)同盟に加盟している船会社の船舶を同盟船と呼び、それに対して加盟していない船舶を盟外船と呼ぶ。加盟している船会社は同盟で設定された運賃率(一般的に「Tariff」と呼ばれている)を適用しているが、近年は同盟に拘束されることなく、船会社と荷主との交渉によって運賃が決められているのが実情。

海運同盟の種類(クローズド・コンファレンス、オープン・コンファレンス)

クローズド・コンファレンス

英国をはじめ先進海運国を中心とする航路に結成されており、新規加入を極端に制限するとともに、加入後のシュアの分与についても極めて厳格な規制を行っている。

オープン・コンファレンス

米国を中心とする航路に結成されており、定期的配船を維持し協定を遵守する意思と能力とを有する船主であれば、自由に加入させる制度をとっている。

機能

海運同盟の機能は、同盟内部におけるメンバー相互間のものと、外部すなわち盟外船と荷主に対するものとがある。

内部規制

第1に運賃協定、第2に過当競争を防止する配船協定、第3に運賃プール協定がある。

外部規制

第1に二重運賃制、第2に運賃割戻制、第3に運賃延戻制、第4に競争抑圧制などがある。